☆スピカ☆のはっちさまの作品です

H22年2月22日記念にUPされたのをみて
勝手に興奮し
無理やりお願いして強奪し
そのうえ勝手に↓のイメージ文まで書いた小鈴。
はっちさまいつもいつも×∞申し訳ありません。
これからもよろしくお願いします。
妄想文by小鈴
日記に掲載したものですが、絵を頂けたので一緒に掲載。
設定としては
楸瑛→絳攸⇔秀麗←静蘭
しかし誰も思いは伝えず。
なぜだか猫になってしまった楸瑛、詳細はたぶんじいちゃんズ辺りが知っているとかいないとか。
Side 絳攸
不愉快なものを見つけてしまった。
それは外朝を散歩していた最中だった。
(言っておくが、断じて迷っていたわけではない!
しかし、また改修が行われたようだ。この俺に断りもなく。)
回廊にしゃがみ込む秀麗。
市井での普段着も愛らしかったが、官服姿もこれはこれで良いと常々思っている。
ただ、同じ官服ばかりの中にいると、かえってその体つきが女人のものであると目立ってしまい、
秀麗に声をかける若い官吏が引きも切らないのだけが不満といえば不満だが。
とにかく、その秀麗がしゃがみ込んで両の手で抱き上げているものが気に食わない。
「秀麗。こんなところで何をしているんだ?」
ひとまず、声をかける。秀麗の腕の中の小さな黒い悪魔がにやりと笑った。俺は確かに見たぞ。
「絳攸さま。子猫なんですけど。どこかから迷い込んできてしまったようなのです。」
「野良猫だろう。そんなもの放っておけ。」
どうやら秀麗の目には、ただの猫に見えているらしい。
「でも、絳攸さま。この猫はどこかの飼い猫ですわ。だってほら、こんなに人懐こいのです。」
秀麗の言葉に合わせるように小さな黒い物体は、
秀麗の胸元に頭を擦り寄せたり、秀麗の口元に舌を這わせたりしている。
秀麗は暢気に、
「ほら、見てください絳攸さま。かわいらしいでしょう?」
などと言ってくる。
「可愛いのはお前だ。」
などと言えたら苦労はないが、残念ながら心の中だけにとどめておいた。しかし
「可愛いのはお前だ、って顔をしているね。」
秀麗の手の中の小さい黒い物体がしゃべった。
姿は変わっても、中身は変わらないらしく、いつものアイツらしいその言葉にも腹が立つ。
「お前、話せるのか?」
小さい悪魔に向かって話しかける俺に、秀麗は不思議そうに首をかしげる。
「絳攸さま、猫の言葉がお分かりになりますの?」
「何を言っている、今こいつは確かに…」
「たしかににゃあと鳴いていましたが…?」
どうも話がかみ合わない。
秀麗の手の中から猫を取り上げ、首根っこをつかむ。そして秀麗に背を向けながら小さな声で問う。
「おい、楸瑛どういうことだ。説明しろ。」
そういうと、猫はちょっと流し目をしながら(確かにそうした)説明する。
「どうもこうもこっちが聞きたいくらいだよ。朝起きたらこの姿でね。
しかも悲しいことに女人には言葉が通じないらしいんだ。
ちょうど秀麗殿が通りかかったから、助けていただこうとしていたところだよ。」
「それにしては不必要に触れていなかったか?」
「誤解だよ。言葉が通じないのだから身振りで伝えるしかないだろう?」
「字を書くとか何か方法があるだろう。」
小さな声で争っていると、後方からさらに声をかけられた。
「お嬢様、絳攸様こんなところで何をなさっておいでですか?」
静蘭の言葉は通訳するとこうなる、
(私の眼の届かないところでお嬢様と二人きりになろうなどとナマイキな)。
気のせいか後方に青い炎が見える。炎なのに、触れたら凍死しそうだ。
しかし秀麗はそんなことには全く気付かなかったようで、静蘭に事情を説明し始めた。
そして静蘭がこちらにやってくる。
静蘭は一目見てソレが何か理解したようだ。
同じく秀麗に背を向けるようにしながら小声で猫に話しかける。
「おや、元財布、何をしているのですか?
最後の取り柄だった体力すらもその姿では期待できませんね。」
「…せ、せいらん…」
猫の楸瑛は身体的にいっても明らかに不利な状況にさすがに震えを隠せない。
気の毒だが、自業自得だ。しかし不思議だ。
「静蘭も一目見て、楸瑛とわかったんだな。なぜ、秀麗だけが気付かないのだろう?」
「お嬢様は、疑念などという汚れた世界とは離れて生活していただいておりましたから。
しかし、今回はぬかりました。このように近くに害獣がいるとは。即刻駆除しなければ。」
目が本気だ。ここは一応止めてやるのが腐れ縁というものだろうか。
「せ、静蘭。これでも一応主上の側近だし、何かの役に立つ可能性も皆無とは言えないと思うから…」
「こーゆー、酷いよ。本気で助けてくれる気があるのかい?」
猫のくせに抗議だけは一人前だ。ん?一匹前というのだろうか?
「いや、悪いが俺は自分のほうが可愛いのでな。」
静蘭に成敗されるのだけは避けたい。少なくとも今は。そこに助け船を出してくれたのは秀麗だった。
「何の話をしているの?とにかくこの猫はいったん私の御史室で預かります。
もし飼い主が探しているという情報があれば、わたくしのところへお知らせください。」
そういうと、秀麗は猫の楸瑛を抱き上げて行ってしまった。
静蘭も、まぁ猫のうちならできる悪さも限られているからなどと言って早々に立ち去ってしまった。
ひとり残された俺は、散歩に戻ったのだった。
Side 秀麗
回廊をまがり、絳攸たちの見えなくなったところで、秀麗は立ち止った。
そして腕の中のものに話しかける。
「楸瑛様、そろそろ私にもお話していただけませんか?」
「…まいったな、ばれていたのか。」
「歩き方が普通の猫と違いましたし、それに絳攸さまに対する態度があからさまでしたから。」
「友人に助けを求めていたのだよ。」
「私には、私を使って絳攸さまの気を引こうとなさっているようにしか見えませんでしたけど。」
「秀麗殿でも嫉妬で見誤るとはね。」
「これから監獄の監察にまいります。
一つくらい空きがあるでしょうから、そこで雨露しのいでお過ごしになられませ。」
「秀麗殿、前言撤回するから、せめて城内に居させてくれないかい?」
「御史室で働いていただけるということですね、ありがとうございます。」
静蘭と育ったのだなというつぶやきなどは無視だ。
「ちょうど部下がほしいと思っていたところでしたけど。はずれが回ってきてしまいましたわね。
まぁせいぜいきりきり働いてくださいね、子猫ちゃん。」
逃がすものか。好機はつかみ取るもの、そう教えてくれたのは、あのひとだから。
2010年2月27日 追記
はっち様の素敵サイト
☆スピカ☆様で、ネコちゃん特集ページが公開されています。
黎深猫様や秀麗猫ちゃんなどに交じって、うちの絳攸猫も仲良く並べていただいていますので、ぜひご覧くださいませ。