桜の時 3-4
 
 
その言葉は絳攸の心と躯に火をつけた。
 
そっと秀麗を抱えあげると布団の上にそっと座らせる。
 
最初は唇を合わせるだけの触れ合いが、徐々に深くお互いの境目をあいまいにしていく。
 
やがて、絳攸は秀麗の唇から離れると、自らの唇を秀麗の首元へと降ろしていく。
 
その間に秀麗の帯を解き、浴衣を寛げる。
 
 
 
艶のある薄桃色の下着に覆われた秀麗の胸元が顕わになる。
 
「秀麗、寒くないか?」
 
絳攸が確認すると、秀麗は首を横に振る。
 
「だ、大丈夫、です。でも、…恥ずかしい。」
 
「俺に見られるのは、嫌か?」
 
秀麗は再び首を横に振る。
 
「嫌では、ないですけど。
 
スタイル良くないですし…。
 
それに絳攸さまは服を着ていらっしゃるから、ズルイです。」
 
秀麗の言葉に絳攸は苦笑する。
 
 
 
「ずるいか。じゃあ俺も脱ぐから、秀麗の全部を見せてくれ。」
 
そう言うと、絳攸は自ら帯を解き、浴衣を脱ぎ棄てる。
 
それでもなお恥じらう秀麗にそっと告げる。
 
「言っておくが、俺だって恥ずかしい。
 
鍛えているわけでもないしな。
 
だけど秀麗は、それで俺のことを嫌いになるか?」
 
絳攸の言葉を秀麗は驚いたように否定する。
 
「いいえ、私は絳攸さまが好きなのですから。」
 
「俺も、同じだ。秀麗のことが好きだから、スタイルがどうとかそんなこと考えていない。」
 
そう言うと絳攸は秀麗の胸を覆う下着に手をかける。
 
唇を寄せ合いながら、背中にまわした手でそれを取り去ろうとするが、
 
なかなかうまくいかない。
 
どちらからともなく笑い合い、そして再び唇を寄せる。
 
ほどなくして漸く金具を外すことに成功すると、絳攸はそっと秀麗を横たえさせる。
 
 
 
先日のことを思い出しながら、そっと乳房に手をあててやわやわと揉みしだく。
 
ふと気になって秀麗に告げる。
 
「加減とか、わからないから、痛かったら言うんだぞ。」
 
「…だいじょ、う、ぶで、す。」
 
応える秀麗の声は心なしか熱を帯びたものに変わってきている。
 
それを確認した絳攸は片方の胸の先端をぱくりと口に含んだ。
 
舌で転がすようにして味わう。
 
はじめ柔らかだったそれがコリコリとした感触へと変化していく。
 
それと合わせる様に、秀麗の口からは甘い声がわずかに漏れ出始めた。
 
それが恥ずかしいのか、口をふさぐ様に自らの手を口元に持っていこうとするが、
 
絳攸はそれを制した。
 
 
 
                        3-5に続く
 
 
 
 
 
 
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