「秀麗。口、塞がないで。」
「だって、そこダメ…なんです。変な声、出ちゃうから。」
潤んだ目でそれが恥ずかしいのだと懇願されても、
それは絳攸の中に宿った火を大きくしただけだった。
「変じゃない。可愛い声だ。秀麗は、こうされるの、嫌か?」
反応を見ればそうでないことはわかりきっているけれど、
それでもわざと聞いてやる。
「や、じゃないです。でも…」
途中で言葉を切った秀麗に、絳攸は愛撫を続けながら次の言葉を促す。
「でも、なに?」
「ふわふわして、自分じゃなくなるみたいで。」
「嫌なら、やめようか?」
「……っ、やめちゃいや、です。」
顔を真っ赤にしてそういう秀麗が本当に本当に愛しいと思った。
充分に胸の果実を味わった後、
絳攸は啄ばむようにしながら唇で秀麗の体をおりていく。
胸の下に、臍の周りに、腰骨に。
触れるたびにぴくりと反応を見せる秀麗が嬉しかった。
次いで秀麗の脚に手を添えて膝をたたせる。
元来色白の秀麗だが、日に晒されることのない内腿は透き通るような白さだ。
そこにも口づけを。
そして、秀麗が唯一身につけている、
下腹部を覆う布に手をかける。
確認するように秀麗を見る。
秀麗は頷くことで応える。
そうして顕わになった、秀麗の誰にも見せたことのない場所。
そこにわずかながらに、しかし確かに存在する湿りを絳攸は見逃さなかった。
「秀麗、濡れている。」
自分の拙い愛撫にも反応してくれていると思うとうれしくて、思わずそう口にした。
「やぁ、そんなこと、言わないで…。」
恥ずかしがる秀麗の姿に、絳攸の中の火は大きくなるばかりだ。
だから秀麗の言葉に答えることはせず、かわりに告げる。
「触るぞ。」
そうして秀麗の返事を待たずに、秘部へと手を伸ばす。
しかし秀麗自らのぬめりはまだわずかで、繊細なそこを傷つけないように気を使う。
それを解決するために絳攸がとった行動は、秀麗の予想もしなかったことのようで。