Strawberry shortcakes  静蘭×十三姫
 
 
 
 
Strawberry shortcakes~静蘭と十三姫の場合~ 
 
 
 
 
 
「絶対、最初に食べるものよ!そのために一番上に乗っているのよ!」
「貴女は何もわかっていない。アレは主役なのです。それを最初に食べてしまうなど…」
「ふ~ん。そうやっていつも我慢しているのね。
だけど、最後になんて思っていたら、その間に相手に逃げられちゃうこともあるんだからね。」
 
十三姫の言葉に、静蘭はしばし考えるようなそぶりをする。
そして、おもむろに十三姫の肩に手を掛けると、許しも請わずに唇を奪う。
あまりのことに硬直している十三姫に向かって、にやりと笑い放たれた言葉。
 
「確かに、最初にというのも悪くない。」
「っちょ、何してるのよ?というか、何したのよ?」
「接吻ですが?それが何か?」
「何かじゃないでしょう?乙女の唇を奪うなんて、どういうことよ?」
「わかりませんか?」
「はぁ?何言ってるの?わかるわけ無いじゃない!意味不明よ!」
「では、仕方ない。」
 
怒り狂う十三姫を前に、静蘭は突然膝を折る。
そうして、十三姫の手を取り、そこにも口付けを。
「姫、愛しています。私のものになってくれますね?」
 
予想外の行動に、流石の十三姫も顔を赤らめる。
「なんで、そんな、自信満々なのよ?どうして確認みたいに言うのよ。」
「だって、自信がありますから。
それとも姫は私を受け入れては下さらないのですか?」
 
そんな可能性など微塵も無いと思っているくせに、
表面上だけ悲しげにして見せるさまが憎たらしい。
「残念だけど。私はあなたのものにはならないわ。だけど…」
そういうと十三姫は自らも膝を折り、今度は自分から唇を寄せる。
そうして美しい唇を味わった後、言い放つ。
 
「貴方を私のものになら、してあげても良いわよ?」
それを聞いた静蘭は、少し笑った。
「ひとまずは、そういうことにして差し上げましょう。」
そして十三姫を肩に担ぎ上げ歩き出す。
 
「ところで、先ほどの件ですが、私はやはり最初に食べるのはいかがなものかと。」
「はぁ?この期に及んで何言ってるのよ?」
「ですからこれから、お楽しみは最後に取っておくものだという事を、じっくり教えて差し上げます。」
「ちょっと、何言ってるのよ!はなしてよ~。」
肩の上で暴れる十三姫を、静蘭が降ろす気配は無い。
そしてそっと呟く。
「離しませんよ。これからはずっとね。」
 
 
 
 
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あとがき、という名の言い訳
 
あ、朝からこんなセクハラ話ですみません。
夫婦じゃない静十って初めて?のような気がします。
だからって甘酸っぱさのかけらもなく。
静蘭ってかっこいい筈なんだけどな~。
なんでうちの静蘭はカッコ良くならないんだろう?
(小鈴がすぐにセクハラさせるからだよ…)
 
 
 
 
 
 
 
 
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