My Sweetie 静蘭×十三姫 後編
「えぇ、愛しい姫のために、愛情をこめて作りました。」
「ふぅん。あなたって何でも出来て、なんだかちょっとつまらないわ。」
つい口を滑らせた後で、しまったと思ったが、遅かった。
「…そうですか、貴女の夫はつまらない男ですか。」
「そ、それだけ完璧だってことよ。」
「でもつまらないんでしょう?」
「拗ねないでよ。機嫌、直して?」
「姫が直してください。」
「…どうやって?」
「教えてほしいですか?」
今日何度目かの魔性の微笑み。
「……、やっぱりいい。自分で考える。」
「それは、楽しみですね。」
そう言われると、困るが、もう、一つしか思いつかない。
彼にはそんなこともすべてお見通しだろうけど。
「ねぇ、目、閉じて。」
そういうと彼は大人しく目を閉じる。
けれど、そっと口づけた瞬間に後頭部を捕まえられ、唇を割り裂いて彼の舌が侵入してくる。
呼吸すらも奪われたようになって、意識がぼうっとなる。
ようやく解放されて、彼に問う。
「ね、機嫌、直った?」
けれど彼の顔にはやはり魔性の微笑み。
「この程度で直るわけないでしょう。」
平然とした顔でもっととねだられて、こちらが赤面する。
「もう、仕方のない旦那さまね。」
そう言いながら、再び彼に口づけた。